春も間近の日曜日、快晴だったのにまさに「光りの春」、もう一枚衣を重ねばならないほどの寒さでした。そのせいか、又花の少ないこの季節なので参加者も12人ほど、そのため説明者の話の通りもよく、じっくりと観察して歩く事が出来ました。
今回は、樹木の幹や葉を落としてしまった枝や梢を見て木の種類を類推できるように、その手がかりを少しですが教わりました。これが観察として一番難しいことは実感しています。桜や梅や松ぐらいは分かるとしても、葉も花もない幹を見てその名前などほとんど分かりません。
でもこれが一番奥が深く又面白いのだそうです。なぜなら日本は森林の国、だからそこに生えている樹木のことが分かれば、そこの自然の情況が読みとれるということです。その地形や成り立ち、気象や人の暮らし、歴史まで・・・・。そしてたとえばそこに自然を守るという事はどういうことか、又どうしたらいいか、どんな木を切ったほうがいいのかまたは残すべきなのかetc・・。フムフム、しかし私としてはとりあえず身近な樹木だけでも、幹を見るだけで名前が分かるのならいいなあという気持です。
やはりこの識別は、なれた人でも難しい。すなわち図鑑や写真があっても個別の木は環境や樹齢などのよって違ってくるわけですから。だからこのように歩いて目で眺め触ったりしながらしか体験的には覚えられません。それがこのようにゆっくり歩く事によって、今日はほんの少しだけ(全く蟻の涙くらい)ですが分かった気がしました。
今日よく観察した樹木は、このあたりは雑木林ですから、その典型的な樹木、クヌギ、コナラ、これらは昔は薪などの燃料として利用されたわけで(ドングリが出来る)、この辺は半々くらいの数で、それゆえ両方の違いを比較するのに都合がいい。またイヌシデ、これは雑木林として利用する木ではないそうですが、また何故ここに生息するようになったかも分からず、しかもここが南限だそうです。
それから姿のいいケヤキ、これは太鼓や木材として良質なので、江戸幕府が政策として武蔵野などの植林させたので、それがいまその辺りに残っているのだそうです。その他エノキ、ムクノキも大木になるので、昔から注目されていますが、その識別も難しい。それも今回、事実物を目の前にしてよく観察しました。
また、今回は冬鳥を見るのに季節としては適しているとのことでしたが、あのきりっとして美しい鳥、モズの雌と雄の両方を、Kさんが持ち歩いている精度の良い重たい三脚つきの望遠鏡でしっかりと見られたことは感動でした。また枯れた田んぼで虫を啄ばんでいるムクドリの群れ、又カシラダカ(これも望遠鏡でじっくりと)も見られましたし、天空高く舞っているオオタカ(らしい)の姿も見ることが出来ました。これらは一人で歩いていては見逃してしまうのですが、それらをたちまち見つけてしまう鷹のように目のいいKさんがあってのことだと思います。しかし、この冬鳥も、最近は渡来が少なくなったという事です。
その他、湿地帯では赤蛙の卵。これは理事の方たちが水溜りをつくってくれたお蔭です。
そこで、もう終わりに近いというハンノキの雄花に注目させられたりしながら、充実した山歩きを楽しみました。
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