洞門山問題・第4回説明会

暮れも押し詰まった昨日、説明会が行なわれたにもかかわらず、ほぼ満席に近い人が集まった。
結論から言うと、何も進展のない説明側の回答であった。しかしこの工事がいかに無理であり、無謀であり、不可能に近いものであるかが、問い詰める事によって明らかになった。
4回もやりながらこの状況では、説明会はよくあるようにダミーであり、陰では着々と工事に向けての工作が進められているのではないかという疑問がある。実際その気配もあるという。保全を考え、指導していると言っても役所は信用できない。なぜならそこには人間の顔が見えてこないことが多いからだ。個人としての信念も心ももたず(持てないようになっている)、組織、仕組みの中で動かざるを得ないからである。そこにあるのは法律や理論や数字であり、それらに辻褄が合えば、許可が下り、工事を認めることにもなる。賄賂はないにしても、法をうまく使えば、理念も正義も感情も押しつぶすことができる。
法といえば、この申請の工事区画が999平米であることも、その一つである。
即ち、1000�からは、4メートル道路に隣接していなければ出来ないのだそうだ。私はやっとそれを今回知った。しかしここはいずれも2メートル前後の道で、いちばん狭いところは1.84メートルである。
今でさえ高校の登校時間に出会うものなら、人間でもすれ違うことが困難な道路を、工事のトラックやダンプが、歩行者を気遣いながらどうして往来できるだろう。
しかもそういう狭い道路が合流するところから踏み切りに入るのだが、その幅は2.55メートルである。(これら数字はすべて説明者側の提示したもの)車はすべてここを通過しなくては自動車道路には出られない。しかもこの踏み切りは、横須賀線なので結構列車の通過が多く、人でさえ上下線が通過するときなどは遮断機が上がるのにいらいらするのであるが、そういう現地の事情はまったく説明書には反映されていない。
即ち今回の説明も現実に即したものではなく、図面上、計算上のもので、そこには実際に工事を起こそうとする熱意もなく、周辺住民への誠意もないものであったが、それは事業主もまた請け負う工事主もはっきりしてないということが大きな原因であった。不備を突かれ詳細を訊ねられれば、工事業者でなければわからないと逃げてしまうからである。といってその事業者が出てくるわけではない。
今回は、樹木を伐採して崖の8メートルを崩して出るその土砂や樹木の搬出車両やその量やかかる日数についてが主だったが、それはこちら側の専門家による計算と大きく違っていた(1:3)。
細かいことは書けないが、たとえば説明では土砂の運び出しに61日、伐採したものは20日と計算し、全体で4ヶ月としていたが、こちらの計算では3倍の12ヶ月はかかるはず。その中間を取ったとしても大変な工事である(これは搬出だけの計算)こととは間違いない。
しかもここは前述したように、幅2メートル前後の細い道、しかも一方はJRのホームに隣接した道(この駅で乗降する高校生の通学路、また幼稚園児、小学生、また大人の通勤路でもある)、の2本に挟まれた屏風のような緑地である。その頭を8メートルも切り崩そうとするのであるから、土台無理なのである。トラックも2トントラックしか入れないが、それを3トントラックとして使うのだという。しかし樹木伐採の重機もその2トントラックで運びこむもので、大木をいかに切ることができるか。
また土砂の運び込む先も、市内の一ヶ所と同時に小田原だというが、その往復の交通事情も考えていない。また樹木の根っこは産業廃棄物であり、それはまた別のところを探す必要ありなど、様々な問題や疑問点、JR線と隣接していることから、それへの配慮も必要であることなど、様々な点から工事の無理を指摘されながらも、結局は、それらを把握したうえで何が何でも「ご理解、ご協力のほどお願い申し上げます」でしかないのである。
こちらこそ、ここのこの辺に残った最後の砦、この街の玄関しての緑は守りたいという気持、そして周辺の住民の暮らしや命にとっても、その工事がいかに無理で無謀であるかを考え、何とか「ご理解、ご協力をお願いしたい」と、こちらも言いたいのですと、その言葉を逆に返して、会合は終ることになりました。
私の今年のブログはこれで終ります。国内でも景気の落ち込みから派遣労働者の問題、様々な不祥事、生活事態が危うくなってきて暗い気持ちになってきます。中東もまた戦闘状況となり、平和もなかなか望めず、これからどうしたらよいのだろうと考えさせられてしまいます。といいながら結局は何もしない体たらく。今年もいつものように雪国に行って参ります。
これをお読みくださりありがとうございました。来年もよろしくお願いします。皆様、どうか良いお年を!

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