洞門山開発(破壊)第二回説明会

10月19日(日)は第二回説明会が開かれる日ですが、同時に午前中は台峯歩きに当ってしまいました。それでこの日は一日出かけることになり疲れました。
歩く会ではこれまでの事情が聞けるだろうと思っていたのだが、あまり期待できない成り行きのようでその時はがっかりしてました。何しろ行政側の態度がはっきりしないようです。
台峯歩きは、秋晴れの一日で、楽しかったのです、それは後にしてここでは説明会について報告する事にします。
この日も、第一回の溢れるほどではなかったが超満員、60脚もある椅子はすぐ埋まり後や横に立つ人が出るほど。説明者は、前回と顔ぶれも同じ3人。机の上に、ハッポウスティロールで出来た変なものが置いてある。(これは前回、せめて全体像がわかる立体地形図をといったのに対して作ったもの。これも笑いものになった)
先ず全体の感触を簡単に述べると、最初はまた同じパターンだという落胆と失望で溜息が出るばかりだったが、後半になると次第に明るい希望めいたものが芽生え、最後にはもしかしたら・・・・という期待すら感じられるものであった。
一回に出た要求や質問に対する回答が、文書で各人に届けられていて、それを読み上げる形から進められたが、一番の要求、事業者であるK氏は、欠席。行政側の立会いもなし。
その理由として読み上げられたものは、K氏は「皆様の要望は理解できるし、可能な限りそれに応えるつもりだが、それを考えた上で諸般やむを得ず、今回のようになりました。また今回は諸事により欠席させていただきます。」というような紋切り型の回答にならない答え、行政はといえば「出席する立場にはない
。来庁すれば相談に乗る。許可が下りた段階ならそれへの説明には出る。」というもの。
まさにこれは、ある人の発言の中にもあった、この説明会は一種の「ガス抜き」で、工事を進めるということはもう既成の事実だが、それへの不満や反発を説明会という形で吐き出させて、何回かやった後に、もう十分に説明しましたし、要求も不満もわかりました、それを十分考慮したうえで工事を進めさせていただきますと終結し、発進させてしまうものでしかない。それが見え見えであったので、暗い気持ちになったのである。
しかし、設計者側の説明が終わり、住民側の質問や意見の発言になると、次第に気持が明るくなってきた。「まちづくり協議会」や「町内会」の人たちの調査によって、次々に新しい情報が知らされたからである。
先ず登録簿の名義が変っている事、それはすでにK氏の手からある会社に売られているか? など、複雑な事情があること、ここでは面倒なので書かないが、そんなことも問い詰められたり(それではK氏の委任状などは紙切れに等しくなる)、またその緑地というより赤トンネル、稲荷だけでなく八雲神社に通じるこの辺りは、周辺住民には鎮守の森としての役目を持ち愛着をもたれているということ、そういう歴史も住民感情も知らないで机の上だけで設計しても工事は決して進まず、また車一台しか通らない道路を使って山や大木を切り崩したものを運び出す大工事、採算が遭うわけはなく、それは二期、三期工事で辻褄を合わせることにしているのでは・・など、様々な意見が、それを専門にしている意見の人もいて、問い詰められ説明をされて、最後には彼らもやっとこの地の事情を理解させられたように見えました。総意として前面反対(最初は、そういう意見、木を一本も切るなというようなという意見では話し合いにならない。工事を認めるのを前提にしてそれにどういう要求や妥協をしてもらいたいかということをしきりに言っていましたが)という意見にも納得(心情的に)出来るようになっていったようです。しかしこれはこの場でのことで、一時的な感情に過ぎないわけです。
行政とのことも、市はそこの重要性は十分に承知で、全体を買い上げる方向でK氏と交渉もしたのだそうで、しかし金銭的に折り合えなかったようで(すなわち開発の出来ない山林としての評価しか出来ないにもかかわらず、K氏側は宅地としての評価を期待するわけで)、そうとしたら、決してそこは宅地には出来ないところだということを身をもって知らせてやるしかないわけです・・・というのは陰の声。
計画書を良く見ると、申請の敷地面積は999.77�です。すなわち1000�以上であれば許可されないので、第1期工事として、そうしたのであり、第2期第3期と少しずつ崩していけば、崩せると考えているのでしょう。
いろいろ住民側から良い意見が出ましたが書ききれませんし、疲れましたのでこの辺でやめますが、最後の方で立ち上がった若い父親らしい人の発言に、皆はしんとして耳を澄ませた事だけを書いて終わりにします。
歴史的にも風土的にも、また景観や生態系、動植物や、風や水の問題、崩せばいろいろ問題のある重要な山、それを住民感情を無視して(最後には工事を妨害する実力行使もやる覚悟だという意見が出て拍手喝さい)、たった3区画の宅地を造成するためにだけ(今の所第一期3区画を申請。以後二期に10区画らしい)無理やりの工事をやることに、あなた方は仕事として誇りがもてますか? と静かに問いかけたのです。自分は踏み切り近くに住んでいますが、子どもたちは通学路で安全を脅かされる上、狭い踏切と道路を往復するダンプカー(1万5千台にもなる)の騒音と埃をあびるのをじっと我慢しなければなりません。それもたった3軒の敷地を造るためだけに・・・。
これにはそれほど年齢が変らない説明者も、一瞬息を呑みました。
誰も宅地を作ることそのものに反対しているわけではありません。なぜなら自分たちだってその地に宅地を作り家を建て住んでいるのですから。そもそも人間という存在が今や地球には害を為す一番悪い動物でしょうから。人間がすまない方が一番いいのです。しかし今やそういうところはほとんど残っていない。とすると、両者が良い関係で住みあう、里山・・・それが見直されているのはそのせいです。
洞門山あたりに昔から住んでいる人は、それぞれが一軒か数軒ずつ、出来るだけ自然を壊さないようにしながらそこに住まわせてもらう形で住んでいるのです。ですから細い階段を上ったり、車が入らなかったり、不便な点も多いのでしょう。それを承知で住み、どうしても壊すことになった自然をまた、復元するような配慮をしながら、静かにひっそりと住んでいる、というような棲み方をしているのです。それがこの辺りの魅力になり、若い人もそこに呼び込まれているように思われます。ところが今度の計画はそれと全然違い、大々的に山(と呼んでいるだけで細長い林状の丘に過ぎない)を切り崩す(大木を切り土砂を大量に運び出す)というやり方です。それが許せないということが判っていないのです。
とにかく説明としては前回同様何も進展なし。ガス抜きの説明会ではなく、実質的な会にするために今度はK氏とその名義を変えた相手の人か会社が出てくるように、しっかり伝えて次回も開くようにということを伝えて会は予定時間を越えて終了しました。
見通しは悲観的ではなくなった感はありますが、現実は厳しいものであることには変りありません。
とりあえず反対の陳情を行政に提出するために署名を始めることになりました。もしこの趣旨に賛成してくださり、協力してくださる方がいらっしゃいましたら、私の方にご連絡ください。一枚10名の用紙をお送りいたしますので、よろしくお願いします。では一応これまで。

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