冬型の気圧配置が崩れず、乾燥した快晴の日がつづきます。
でも寒気が強いので、鳥たちの水飲み場の鉢には厚い氷、取り出したのもなかなか解けません。
でも光は春、に誘われて「台峯歩き」に参加してきました。
こんな時期はまだ草木は眠ったままなので、主に常緑樹の葉を楽しむということになります。
いつものように手渡されたカラー・コピーのプリントを見ながら観察しながら歩きましたが、これは全く苦手です。どれも同じに見え、覚えても直ぐ忘れてしまいます。とにかくタブ、スダジイ、アカガシ、シラカシ、アラカシ(アカカシではないのです)、シロダモなどといったのを、ぎざぎざがあるとか、姿や大きさ、葉脈の目立ち方だとか、ちゃんと見分け方を書いてあるのを手にしながら、実物に当りながら歩いていきます。手触りも、又千切ってみての匂いなども識別の一つです。
今日はなぜか初めて参加の人が多かったので、その人たちを優先にして久保さんが引き連れて先を歩きます。参加するたびに少しずつ様子が変わっていき、整備のための金網が張られたり看板が立ったり、草刈がなされたりしていますが、ショックなことがありました。第二の田んぼの周辺が宅地造成されているのは前に書きましたが、その奥の谷戸が大きく切り払われているのを見たからです。かなり深い谷なのに、そこを埋め立てて宅地にしようとするのでしょうか。それほどの規模ではないので、多分届け出無しに出来るのでは、という人がいました。しかもこれは区域外にあるので、文句をつけることは出来ません。第二の田んぼでもそうで、この運命も旦夕の間でしょう。
ある所を残すと言っても、その周辺も大切であって、その変化はじわじわと区画内に影響を与え、極端に言えばその生死をも左右しかねません。何の変哲もない谷ですが、そこは「緑の回廊」であって、そんなところを伝わって鳥をはじめ生き物たちは行き来している、たとえば秩父に熊がいるのは丹沢があるからで、そこと緑でつながっているからと、その人は言いながら憂い顔をしました。でもすべてを手につけることはなさそうで、薄いながら深い谷のほうは残りそうなので、緑のラインはつながるのでしょうか。でもお父さんの髪の毛のように心もとないことです。
富士山は少し雲をまといながらくっきりと白い勇姿を見せ、丹沢連邦もどうどうと雪の峰々を際立たせています。それらを眺めてからいわゆる老人の畑と呼ばれる一番の見晴らし場へとたどります。そこで、カレンダーの写真をも作成してくださった、土地の人でこの地に非常に詳しい、カメラマンの川上さんの出迎えがありました。白い髭がいっそうの貫禄をつけていますが、今日はちょっとお話を聴きました。
最近常緑樹が増えたこと。すなわち雑木林が少なくなったのです。畑のためには日当たりが良くなる雑木林の方が良く、日を遮り、ぐんぐん伸びる常緑樹や針葉樹は良くない。昔だったら炭焼きや薪のためそれらも必要で、しかしそれらを切って使っていたので伸び放題にはならなかった。しかしそういう手入れをしない里山は雑木林から常緑樹の多い林になってしまう。ここから見える桜もだんだんなくなっていくでしょう・・・と。しかもこの地域は表土が2メートルくらいで浅いので、常緑樹は根が大きくなるから頭が重くなると根が耐え切れず、がけ崩れが起こりやすい、この地の崖崩れが年々多くなるのもそのせいもあるなどと・・・。ですから、一概に緑が多いのを見てそれがいいというのも間違っている、むしろ今の里山では獣の毛並みのような、枯れ草色の山並みがいいのだ・・・とも。そして整備をすると言っても公園ではない場合、枯れ木も生き物にとっては利用される有効な役割があるということ。
そうだそうだ、とわが家の放って置きの怠け者の小さな庭の弁護を心の内でしました。
それからいよいよ谷に下りていくわけですが、前置きが長くなったので、花のないこの時期、鳥の姿はよく見えるのでコゲラ(枯れ木をつついていた)、ヤマガラ、ウグイスなどを目撃したことを書き今回は終わりにします。
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