「東京カテドラル聖マリア大聖堂」でのヘンデル「メサイア」

ブログをすっかり怠けていました。
異常なジグザグ模様ながら季節はすすみ、緑の季節になりました。
いま黄色いのは竹林とシイの木などの常緑樹で、これから日ごと緑が深まっていきます。
今年もたくさん咲いたシャガやエビネの花はとっくに終わり、サギゴケは盛りをすぎ、今はユキノシタが満開です。今年も筍は出ましたが、何しろ狭い上に放っておくばかりの庭なので、出てくるだけでも大したものです。
このようにこの家の草花は、シダ類があちこちに芽を出すことからも分るように皆日陰に適したものたちで、向いのバラ一杯の庭とは対照的で、お向かいさんとも「お互い陰陽ですね」、と言ったりしていますが、まさに暮らしそのものも同様だなあ、と思うのでした。
そういう日常とはちょっと違った感じですが、カトリック大聖堂、丹下健三が設計した有名な教会へ音楽を聴きに出かけてきました。若い友人のTさんが所属する例のコール・ミレニアム合唱団も出演するからです。
ヘンデルのオラトリオ『メサイア』は、当時でも大変有名であったようで、あの「ハレルヤ」の合唱が入った、イエスの誕生から受難、復活までを描いた壮大な宗教楽劇、モーツアルトもこれを編曲して、隠れていた魅力を引き出したとか・・・これは付け焼刃的に「毎日モーツアルト」で最近知った知識などを動員して、鑑賞の手引きとしたのでしたが・・・。
この曲の全曲を目の前で聴くのも初めてながら、大聖堂の中で聴くというのも始めての経験でした。
音響的にどうかというのは分りませんが、教会の中心部に向って円錐形にそそり立っていくむき出しのコンクリートの壁面、それにそって独唱や合唱が沸き立ち吸い込まれていくような感じで、なかなか良いものでした。聴衆もあの木の長い椅子の部分の他にたくさんの補助椅子が並べられていましたが、ほぼ満席で、復活と高らかな勝利宣言へと高まっていく音楽の効果もあって、最後はブラボーという声があちこちから上がり、拍手も長く続きました。
でも、ブラボーといっていいのかな、とちょっと思う。それは客観的な評価であって、ほんとうのクリスチャンであれば、感極まって涙するのだろうか、そういう力を持っているにちがいない。信仰のない私はちょと戸惑うと同時に、そういう人の意見を聞いてみたい気持ちになりました。
聴く方もなかなか充実したひと時でしたが、合唱団の一人として歌っている方はきっと感動をもって歌い上げたに違いないと思います。ここに至るまでのいろいろな雑事、ここに至るまでの猛練習、多くは職を持った人たちで、その間に練習を重ねているようですから。
上気したようにも見える顔で引き上げていく団員の人たちに大きく拍手!
もう真夏のようになった日の、涼しくなってきた夕べのひと時でした。

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