初秋の台峯歩き

台風13号が、九州地方などに突発的に大きな被害を残しながら去っていこうとしているが、日曜日の昨日、台峯歩きに参加した。台風の予報もあって曇り空、雨にならなかったのが幸いであった。10人ほどだったのでゆっくりと、花や昆虫にルーペを当てて観察したりしながら歩いた。
萩の花があちこちに群れ咲いていて、特に白萩には秋のすがすがしさを感じ
る。彼岸花も咲き始めており、園芸種が野生化したものだが秋海棠の群落、ヤブミョウガの実。
この回の目玉は、なんといっても実りの稲田。2箇所とも黄金色に広がり(1つはもう消失)、その上を蝶、そしてトンボも飛んでいた。まだアキアカネは山から下りてこない。アキアカネは、後10日ぐらいしたある朝、突然群れをなして平地に降りてくるのだと言う。田の面一面に薄い網が張られていて、この作業も大変だろうなあと思わせられる。田植えをした頃から見ているので、感動的である。今年はまだ台風がこの地には訪れていないのでいいけれど、このまま無事であって欲しいと思う。田んぼ自体もまた。
今日の学習項目は昆虫であった。前回は旅行していたので休んだが、実は「マツムシを聴く会」をもったのだという。まだこの辺はミンミンもツクツクも鳴いていたが、これからは虫の季節である。この辺りには4〜50種ぐらいはいるだろうという、そしてその中から30種ほどのキリギリス科、コオロギ科の名前と鳴き声が挙げられていたが、種類の多さに驚いた。そんなにいるものだろうか・・・。最初は5種類ぐらい聞き分けられる事を目標に、慣れれば誰でも10〜20種は聞き分けれます、と書いてあったが・・・・。
道端の小さな葉っぱのウラに2ミリほどの虫がいて、それがクサヒバリだと教えられた。ブイりりり・・・・と細い連続音で鳴くというが、こんな小さな虫まで鳴くのですね。
鳴き声の王は、エンマコオロギ、女王は、カンタンだとのこと。
最近は外来種で急激に増えているアオマツムシの高い声に、秋の夜が独占されている感があるが、細い声にも耳をすませることで、次第にムシ耳になっていくのだということでした。時間にもよるが、まだ虫の声は少なく、また指摘されても耳に入らない事もあって、私はまだままだムシ耳からは遠いところにあると実感。外来植物としてセイタカアワダチソウは有名になりましたが、これも同じく外来で、荒地に必ずやってきて背が高くなる、アレチノギクの別名を何というかご存知でしょうか。鉄道草、または西郷草とも言うそうです。これが日本に入ってきたのは明治の鉄道が敷設し始めた頃、その車輪などで運ばれて広まったことから、また西南戦争の折、薩摩軍の西郷さんが、背の高いこの植物に身を隠しながら逃げたといういわれから来ているとも。
どんな植物にもそれぞれ歴史があって、それを知るだけでも面白いようです。

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