混声合唱団コール・ミレニアムの第4回定期演奏会(22日)に出かけた。
今年はモーツアルト生誕250年ということで、その最晩年の対照的な二つの曲。
『魔笛』はもちろん全曲ではなく、ハイライトだけを編成したものをナレーター(真理アンヌ)の説明によって展開されていく。私のようなものには飽きずに楽しめて良かった。私のピアノの楽しみ方に似ている。クラシックやポピュラーのサワリの部分だけを練習し楽しんでいるように・・・。
「パパゲーノ」と「パパゲーナ」、「タミーノ」と「タミーナ」の響きもよく、コミカルで楽しく、主題は愛と誠の精神で、宗教宗派を超えた平和希求のメッセージがこめられている。今日の「社会の混乱時にあってこそ、流麗なモーツアルトの音楽に潜む高邁な理想を身と耳で確認しながら、いっときの心の平安を得たい。」とプログラムには記されてあった。
「レクイエム」は、死神のような男から依頼があって書かれたといわれる、まさに死の床にあったモーツアルトの未完のレクイエムであり、暗い。しかし真に力を失い、絶望している人間は明るい曲よりも暗いトーンの曲の方が、心に安らぎを与えられ悲しみも浄化され、そこから立ち上がる気持ちも徐々に湧いてくるのである。天才モーツアルトの幅の広さを実感じさせられる組み合わせ。
合唱はコール・ミレニアムとコール・リバティスト。指揮は小松一彦。管弦楽はフィルハーモニックアンサンブル管弦楽団など。
出かける頃、雨は降り出し、帰りも雨で、雨に閉じ込められたモーツアルトの空間であった。
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