八木さんからこの新刊の本を送っていただいた。
「経典の中でも比較的多くの人々に読誦されてきたお経を選んで」「現代語に置きかえる作業をした」とあるように、名前だけは聞いたことがあるようなお経14巻ほどが、原文と共に現代語訳をされ、とても読みやすく、しっかりした装丁ながらハンディな本として仕上げられています。
私は「般若心経」だけは諳んじることが出来ます。そしてその内容を解説した本も実は持っているのですが、それを読んでもなかなかその意味がすんなりとは入ってこないので、あまり意味など考えないでただ諳んじていただけだったのです。
ところがこれを手に取り、その部分を読み始めると、ページの上下に現代語訳と経文を並列されているために、大変読みやすく、またその訳もやさしく的確で、とても気持ちよく心に染みこんでくるようでした。そのためたちまち全てを、読み進めていくということになったのでした。
名前は知っていてもどういうお経かというのは、これまで知りませんでしたが、これを読んでいくうちに、なるほどと少しは判るような気がしてきたくらいです。こんなことを言ってはいけないわけで、その有難さが判るなどとでも言わなければならないのでしょうが、そういう信心の心は私にはないのでした。
しかし今、仏教は大いに見直されなければならないのではと思っています。
というより宗教のようなものが必要な時だと思うのですが、その中でも梅原猛氏なども言うように、仏教こそが地球を救う宗教になりえると私も思うのです。
キリスト教も感嘆すべきものではありますが、そしてこれまでの人類の発展、特に科学の発展などにもつながるものとしての素晴らしさを持っていましたが(これは同根であるイスラムも同様)、これからは仏教の思想こそが、必要になって来るのではないかと思うのです。
そんな意味からでも、このようにお経を詩人がやさしい言葉で開いて見せてくれたことは、とても意義あることだと思います。
解説部分も最小限度で、できるだけ小さく記されており、肝心のお経本体がしっかりと前面に出ていることも好ましく。しっかりして軽くて小ぶりでもあるので、これを座右において、口語訳を目の端でとらえながら、般若心経はもちろん他のお経も、時には読誦しようと思っています。
八木さんへのお礼もこめ、仏陀のメッセージが人々に伝えられるためにもこれが多くの人に読まれるといいなあ・・と私も期待しています。
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