雪の温泉から帰ってきました

新年おめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
今日、上越新幹線で豪雪地帯の温泉から無事に帰ってきました。
行きも帰りも、遅れは10分ほどで、本当に恵まれました。
ここで暮れから正月にかけて過ごすようになってから丁度21年目ですが、今年ほどの大雪は初めてでした。その上、正月元旦は雲一つないような日本晴れ(と、つい言ってみたいようなお天気)になったのですから、まさに奇跡のようで、土地の人も弾んだ声を上げていましたが、素晴らしい元旦でした。12月半ばから、降り続けていた雪が嘘のように止んだ貴重な一日だったようです。
ところが2日からまた雪は降りはじめ、今日も駅に送ってくれる宿の車も十分に余裕を見ていたのに時間に間に合わなくなるのではないかと、次第に心配になって来たほどでした。
宿を出る頃はそうでもなかったのに、雪は吹雪のようになり、視界もきかなくなり、ただただ真っ白い世界を走っていくようで、そのうちライトがつき始めました。それでも運転手さんの懸命の努力で何とか間に合う時間につくことが出来たのでした。
川端の『雪国』の文章で有名ですが、トンネルを抜けた世界の劇的な変化には、いつも感嘆の声を上げてしまいます。しかしこの何年か、雪が少なくなってその声も消え入るようになっていたのですが、去年からまた雪が多くなり、そしてまさに今年は異常なほどでした。
さて、帰りもトンネルを抜けるともう雪は一片もありませんでした。大宮あたりはまだ雲が蟠っていましたが、このあたりに来るとまったくの青空になってしまいました。ほんの3時間前、真っ白い雪に包まれた世界にいたことが信じられないくらいです。あの雪が懐かしくてたまりません。あれは夢ではなかったのでしょうか・・・。そう思いたくなるほど、雪の土地が美しく懐かしく感じられるのです。
不思議なことに、東京の方が寒いと感じました。あちらは気温は低いのにもかかわらず、風は柔らかくこちらより暖かかったような感じさえするのでした。それは私の部屋の暖房が不完全で、宿の方がしっかりした防寒をしているせいでもありましょうが、それだけではなく確かに風は刺すようで、底冷えしています。
ほんの僅かな日々ではありますが、そこでの雪景色を、温泉を、人たちの暮らしを記憶の中に蘇らせながら元気をもらい、これからの一年へ向けて歩みだして行くつもりです。

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