上原綾子 ピアノ・リサイタル

この辺りは、いま、もみじが最も美しい。風と雨が来ると一度に散ってしまいそうな気配を持つもみじである。その下に立つと怪しげな感じさえして、昔の人が猩々やら何やらが表れ出ると感じたのも分る気がする。紅葉狩りなどといって・・・。
昨日、芸術館のピアノ・リサイタルを聴きに行った。曲は前半はモーツアルト(ソナタ第4番)シューマン(クライスレアーナ)、後半はスクリャービンの曲が多く、最後はラフマニノフ(ソナタ第2番)だった。スクリャービンを私はほとんど知らなかった。ラフマニノフは有名なピアノ協奏曲などでなじみだが、同年代のロシア人だというけれど、不思議な感じがする曲だった。ピアニストも高い技術と理解力が要るのではないかと思われる抽象性を持った曲のような気がした。音楽鑑賞としても初歩である私だから当っているかどうか分らないが、とにかくそういう思いを抱きつつ、白いコスチューム姿の、清楚で若い上原さんの流れるように情熱的な演奏に耳を澄ませた。

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