台峯(田んぼについて)

台峯といっても、保存が決まったのは倉久保谷戸といわれる谷間の湿地帯とそれを囲む斜面だけであって、その周りの峯にあたる部分は皆開発の惧れに晒されています。
ここに残る二つの田んぼもその部分に属しています。
新聞に、横浜にある蛍の生息地で、沢山の卵が死んだと出ていました(その新聞を探したのですが、見つかりません。確か昨日か一昨日くらい)。吹きかける湿気が多すぎたのだそうです。すなわちそこでは蛍を管理しながら育てていたのです。いわゆる魚を大量に養殖するように、大量に生殖させていたのでしょう。
蛍は流れがあり、田んぼがあって初めて自然に発生するのだそうです。ここの田んぼには蛍がいます。夏に蛍を見る会(夕方から谷戸に入るので一人では怖い)ももたれましたが、残念ながら出席できませんでした。
蛙もそうですが、卵を産む水場(水のある田んぼ)があり、棲み家としての土手や森があるから生きていけるのです。自然の田んぼには畦があり(土があり、草があり、そこにはいろいろな昆虫がいる)、水があります。そういう環境があって、初めて蛍は自然に姿を現すのです。蛍をたくさん見たいために大量飼育するなんて、あまり意味がないように私には思えます。それは環境を守るというより、それらを見たいという人間の欲望の延長に過ぎないのではないか・・・と。
二つのうち最初の田んぼは、梶原の住宅地に至る車道のそばにあります。もう一つは車道からそれて山道に入ったところにあって、ここの半分ぐらいですが、どちらも段になっています。稲刈りは終わって、黄色の鳥よけの網がまだそのままになっていました。網が張れるのも狭いからで、また網を張らなければ皆鳥に食べられてしまうからです。田んぼだけではなく畦の手入れ(これが昆虫や植物の生息に、これまで意識されていなかったことですが、重要な役割を果たしていたのだそうです)その手間と労力は大変なもので、この二つの田んぼの持ち主は高齢者。二つとも風前の灯火です。
この田んぼについて、もう少し話したいのですが、それは次回にします。

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