小春日和に

今朝は真冬のような冷え込みとなった。
10時過ぎから少しずつ陽が差しこんでくるが、午後からまもなく、また去っていってしまう。かつては南西に家がなかったので、午後からは夕方まで太陽が望めたのだが・・・。
けれども入ってくる日影は長い。それに手足を差し伸べながら、陽の恵みのありがたさを思う。
わが庭には、今ツワブキの花がたくさん咲いている。それからホトトギスの花。お隣をはじめ山茶花もあちこちで美しく咲いているのを眺めながら、外は暖かそうなので、六国見山に上った。丘陵はやっと褐色に黄色にもみじし始めたくらいである。この辺りの紅葉はそれ程色鮮やかではない。ここを限って言えば、秋よりも春の方が私は好きだ。早春、緑が兆しはじめて次第に薄紅色がまじり、若草色と紅色の濃淡グラデーションが柔らかくやさしく、はんなりと低い山並みは身を横たえる。
遠く海には靄がかかり大島は見えない。箱根や富士、丹沢などの山並みも逆光と薄い雲に隠れておぼろである。これら自然は、私がこの世にいなくなっても、依然としてこのように美しく在り続けるのだなあ・・と、思ったりする。この季節だからそう思うような気がする。春だとそうは思わず、何かいいこと起こらないかしら・・などと、少しは心がうきうきするようだ。
帰り道、ハゼの木(ウルシ?)が一本、見事に紅葉しているのが眺められた。この辺り赤くなる木は少ないので目立つのである。

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