ピアノの練習(2)

ピアノはまったくの独習です。先生について習ったほうがいいですよ、と言われます。
上手になるには、また早道のためには、もっともなことなのです。変な癖がつかないためにも・・・。けれども習うとなると、時間に縛られます。そして先生からの課題に努力しなければなりません。しかしピアノに関して言えばそれがいやなのです。どうしてかなあ・・・。
両手で何とか弾けるようになったのは中学校の音楽の時間,オルガンで「結んで開いて」と「子狐こんこん」(題は間違っているかも)を弾かされた時で、そのときコツのようなものが掴めた気がしました。
その後はずっと遠ざかっていて、この家に来た頃、20年ぐらい前でしょうか、家を建て替える人からピアノを一時預かったことがあり、そのときバイエルや楽譜も預かって、それを見て練習したのでした。そのときはフォスターのものを何曲か,また「ドナウ川の漣」に挑戦したりした記憶があります。
そもそも私はピアノなどに親しむ環境にはありませんでした。地方にいて、貧しい(その頃は皆そうだったのかもしれませんが)母子家庭で、しかも邦楽のほうに縁があったからです。母は三味線がうまく、私は祖母の道楽から日本舞踊を習わされていました。だからクラシックのことを洋楽なんていっていました。
その洋楽なるものを初めて聴いたのは、小学上級くらいで、それを聴いてもよく分りませんでした。中学になって初めて聴いたのが「アヴェ・マリア」で、そのとき初めて「なんて快いのだろう」と思ったのです。
そのくらい文化果つる(?)境遇でした。
それら西洋音楽に急速に馴染むようになったのは、東京に来てからです。
これは私の中の明治維新のようなもので、私の近代化でした。

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