わたしの家の小さな庭、二枚組になっている三角定規の90度角ではない方の形に近い狭い庭ですが、いま秋の野っぱらのようになっています。露草、水引草、犬蓼(=赤まんま)、やっと杜鵑(ほととぎす)が咲き始めました。
あまり日当たりがよくないことから、日陰や湿り気につよい草花しか育たないことと、少々怠け者であることから、これら雑草がはびこりやすいのですが、この趣が気に入り、少しばかり手を入れながらむしろ楽しむことにしました。
とくに露草は、普通見られる瑠璃一色ではなく、周囲が白いグラデーションとなり、仄かで可愛らしいのです。露草は最初はどんどんランナーを出して這い回るので、手に負えない感じでつい抜き取りたくなりますが、それを何とかうまく管理しつつ残しておくと、夏の終わり頃から次々に咲き始めます。この変わった露草はなぜかこの庭内だけしか私の目につきません。満天星の垣根の外にあるのは普通の色なのです。そのことに気がついたのは亡くなった人であり、だからそれを見ると彼のことを思い出します。
彼の魂が、そんな仄かな形でこの庭を訪れているのかも・・・と思って、少し毎朝の花の数が減り始めたその露草を眺めながら、秋の訪れを感じています。
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