レンジャック クローディア・エマソン
シダーレンジャックが 落ちたのだろう
あなたには見えない巣から
だからあなたは鳥を助けようと
家に持ちこんだ。キッチンを鳥かご代わりにして
私たちはこおろぎを与えた。
バス釣り用に箱で売られているものだ。
鳥は幾日かの間 食器棚にとまっていたー
その口は飽くことを知らない食虫花ー
動かない天井の扇風機へ、
隣室に飛ぶことに気付く前は、
私たちは何週間も羽ばたきを聞いて
暮らした。私はくちばしの立てる
音になれた。肩に軽く触れる
電気のような、ビリッとした
感触になれた。
鳥の恐れるものなどなかったのだろう。
レンジャックは私たちをそのまま受け入れ、
私たちと一緒に抑圧された空と
ガラスに覆われた明かりと、狭い階段を受け入れた。
だから私たちが放してやると、鳥は昔の空に
戻ることを拒んで、きっかり一ヶ月
屋根の上に聳え立つヒッコリーの木に
とまっていた。私たちはそれを養ったのはなぜ、
私はあなたにたずねた。
異界に落ちた何を私たちは助けたのだろうと。
レンジャックは私たちがつかの間暮らしたあの部屋で
自分は死んだと思っていたかもしれないのに。
Claudia Emerson (1957-)
Waxwing
The cedar waxwing had to have
fallen from some nest you couldn’t
see, so you bought it into the house.
to save it. We fed it crickets
sold it. We fed it crickets
the cage we made of the kitchen―
where the bird sat on the side board
for days ― its mouth an insatiable.
urgent flower ―before findinng flight.
the stalled blade of the ceiling fan.
other rooms. For weeks we lived
with the sound of wings, I gree
accustomed to the billing-purr,
the feel of an electric, furious
linghtness clinging to my shoulder―
what it should have feared. The waxwing
accept us as given. and with us
our seized , repressive sky, glassed
narrow starway. So when we let it go.
when it refused the atavistic
sky, remind instead for one full
month in the hickory tree that loomed
over the house, I asked you why
we’d fed it. what had we saved
for a world so alien, the waxwing
must have believed it had died in those rooms
where for a while we went on living?
※
誰かと話していたとき、一体私はどんなときに、どんな作品に、どんなふうに惹かれたときに、この作品は好きだとか、好きでないとか、いいと思うとか、あんまり感じないとかと言うのだろうと思った。たとえば、私はあまり、俳句と短歌がわからない。つまり
ある程度は感じられても、どの作品がいたくいいと思い、それからそうでもないのか、わからない。つまり、芭蕉とか万葉集とかの他に、現代の俳句や短歌はどれもこれもおなじように読めてしまうのである。
結局、詩や音楽や写真ゃ絵画のばあい、何度も何度も繰り返して読んだり、聞いたり、
見たくなる作品が私にとっていい作品なのである。この単純な方法はかなり、私を自分で自分を納得させるいちばん良い方法だと考えている。
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