ヘルマン・ヘッセの霧の中 高橋健二訳

Im Nebel
Seltsam, im Nebel zu wandern!
Einsam ist jeder Busch und Stein,
Kein Baum sieht den anderen,
Jeder ist allein.
Voll von Freunden war mir die Welt,
Als noch mein Leben licht war;
Nun, da der Nebel fällt,
Ist keiner mehr sichtbar.
Wahrlich, keiner ist weise,
Der nicht das Dunkel kennt,
Das unentrinnbar und leise
Von allem ihn trennt.
Seltsam, im Nebel zu wandern!
Leben ist Einsamsein.
Kein Mensch kennt den andern,
Jeder ist allein.
 霧の中  
ヘルマン・ヘッセ詩 高橋健二訳  
不思議だ、霧の中を歩くのは!
どの茂みも石も孤独だ、
どの木にも他の木は見えない。
みんなひとりぽっちだ。
私の生活がまだ明るかったころ、
私にとって世界は友だちにあふれていた。
いま、霧がおりると、
だれももう見えない。
ほんとうに、自分をすべてのものから
逆らいようもなく、そっとへだてる
暗さを知らないものは、
賢くはないのだ。
不思議だ、霧の中を歩くのは!
人生(いきる)とは孤独であることだ。
だれも他の人を知らない。
みんなひとりぽっちだ。
 

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