私は自分の人生が気にいっている 李謹華 1976年生まれ (世界を新しくする詩6)
私は自分の人生が気に入っている
季節ごとに一回ずつ頭痛が来て、二つの季節ごと一回
ずつ歯をぬくこと
がらんとした微笑と親しい皺が関係する私の人生!
私は自分の人生が気に入っている
私を愛する犬がいて、私の知らない犬がいる
白く老けを落としつつ、先に死んで行く犬のために
熱いスープを煮込むこと、冬よ、さらば。
青い星が尻尾を振って私のところに駆けて来て
その星が頭の上に輝く時、カバンを無くしてしまったっけ
カバンよ、私のカバンよ、古いベットの横に、机の下に
くちゃくちゃな新生児のように生まれ変わるカバン
肩が傾くほど、私は自分の人生が気に入っている
まだ渡って見たことのない橋、まだ投げてみたことのない石ころ
まだ取って見たことのない無数の多くの姿勢で、新しく笑いたい
しかし私の人生の第一部は終わった、私は第二部の始めが気に入っている
多くの店を出入りせねば、新たに生まれた手相に付いて行かねば
もう少し謹厳に、私の人生の第二部を知らせたい
私が好きになり、私を気に入る人生!
季節は冬から始まり、私の気に入った人生を
一月からまた計画しないで、カゴとパンはまだたくさん残っていて
皿の上の水は乾くことを知らない
魚と尻尾を突き合わせて、黄色い星の世界に行き
魚の木を植えねばならない
第三部のスープは冷えて、あなたの唇に流れこむ葡萄酒も
事実ではない、しかし人生の第三部でもう一度言うつもりだ
私は自分の人生が本当に気に入っている
息子も娘もにせ物だが、わたしの話は嘘ではない
丈夫な尻尾を持って、斧のように木に登る魚
ふさふさと魚が開かれる木の下で
私の人生の第一部と第二部を悟り
第三部のドアが開かないように祈る私の人生!
気に入った部分がちょきんと切られて行って
ずっと明るくなった人生の第三部を見ている
私は遂に尻尾を振って笑い始めた
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