10月18日 IN THE HEART OF UENO PARK

 午後2時半頃、私は上野駅に着いた。明るい穏やかな日差しが上野の森の隅々まで降りそそいでいて、休日でもないのにかなりの人数の人びとが軽やかに歩いていた。
  私もその流れにのって歩いていくと外国語学校の生徒たちや先生に会ったり、散歩するOLに会ったりした。
  国立西洋美術館ではベルギー王立美術館の絵の展示中で、入口には映画の看板のように大きく複製されたブリューゲルの「イカルスの墜落」があった。とても上手な看板だったのでびっくりして私はすこし
の間眺めていた。
  美術館をすぎると正面に動物園の入口が見え、右側には広場があり、噴水がキラキラとひかっていた。
  私はしばらく大勢の人と広場を歩いていた。微かな笑い声が起こり皆がながめているのは体中に真っ白い天花粉をつけて殆ど裸の男のバフォーマンスだつた。男はゆっくりロダンの考える人になったり、弥勒菩薩になったり、ギリシャの円盤投げをする人になつたりした。
                                                   つづく

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