ミヒャエル・ゾーヴァ

ゾーヴァの画と出合ったはじまりは、「クマの名前は日曜日」の,あの洗濯熊のカード一枚
からだった。なぜかひかれて「ミヒャエル・ゾーヴァの世界」を買ってしまった。不思議な
魅力がある。何事もない静かな一軒家と雲と林のたたずまい。(何かがこれから起こる
のか、それとも起こってしまった後なのか)。
窓辺に座るクマおじさんの背後にひしめいている不穏な動物たち…ペンギン?ネコ?
ブタ?カエル?それになぜかヒトの手が!
会食中のテーブルの背後でニヤニヤ笑いをしてるイヌの顔。
黒い三角巾で前足を吊ってこちらをひたとみつめているしろい猫…etc.。なぜだか川上
弘美のある作品を不意に思い出したりする。童話的でユーモアと毒があり、立ちのぼる
のはひそかな悪意。もちろんオブラートにつつんで飲みやすく調合してあるけれど。
だれかさんの足もとに、ちっちゃな亀裂が口をあけている。(だれかさんの後ろに蛇がい
る)という世界。そんな不気味な気配…とおかしさにつられて、つい頁をめくってしまう。
この家でも夜中のバスタブでブタが飛び込みの練習をしているらしい。あのポチャンと
いう音は…。そしていつの日かブタが一匹、朝食のスープ皿を泳いでいるにちがいない。

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