鳥(Bird)

        鳥
                                水野るり子
       空のまんなかで
       
       凍死するのがいる
      
       雹にうたれて
       胴体だけで
       墜ちてくるのがいる
       ふいに
       空で溺れかける
       瞬間の鳥が
       恐怖の足でつかむ
       はじめての空
       その空の深度へ
       首はすでに
       首だけのスピードで
       落ちはじめている
          Bird 
                     
                                      E.A.Cranston訳
There’s one that freezes to death
in midair
There’s one that’s a headless body
falling to death
beaten by hail
Caught by surprise
drowning in the sky
instantly the bird
clutches with the feet of fear
its first sky
Out of the depth of that sky
its head has already begun
at the speed of head alone
to fall
  ”””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””
    これは第一詩集「動物図鑑」に載せた作品です。
    五月頃、はげしい雹に撃たれて落ちる鳥がいるという事をきいて書いた作品です。
    
  

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