茨城県近代美術館に、6日、《二年後、自然と芸術、レクイエム》展を見に行った。上野から常磐線のスーパーひたちに乗って、水戸まで1時間ちょっとだ。2年前の地震災害を受けた美術館であるが、今はきれいに改築され、静かで広々とした気持よい館だった。
井上直さんの作品は5点出ていて、(うち3点が新作) 日曜美術館(NHKのテレビ)でも、そのちょっと前に紹介されていた。 5点のうち3点は2012年の新作だった。はるかな時間(自然)のなかに立ちつくす人間の後姿のイメージは、深い哀しみのなかにも、永遠への祈りと憧れを秘めた沈黙を漂わせ、粛然とさせるものがあった。
芸術的感動はなかなか言葉にはできない。が、言葉にならない励ましをもらった気がした。もちろん自分への反省とともに。激しく動くこの時代の中で、真摯に内面を見つめる目を持ち続けながら、精神を具象化していく…その行為は、とても困難なことだけれども、その行為が人々を支え、励ます力を持つのだろう。
新作「千の種族A」「千の種族B」「夕暮れのレクイエム」、そして以前銀座の画廊に出品されていた「海の記憶」「V字鉄塔のある惑星」などの作品の前に、しばらく立ち尽くしていた。
そのほかに大観の「生々流転」という40メートルの絵巻物や、小川芋銭、河口龍夫の鎮魂のためのいくつかの作品など、印象的だった。
水戸の梅林もそろそろ蕾が開きかけていたが、美術館のレストランで軽いランチをとり、そのまままたスーパーひたちに乗って横濱に帰った。
明日は3.11から二年目の日が来る。
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