久しぶりにマイブログを開けてみたら、今年初めてみたいでびっくり。
今日は気を取り直して、メモ風に…。
2,3日前に≪Poetry≫という映画を見た。ちらしによれば(これは一人の初老の(66歳)女性
が「詩」にたどり着くまでの、魂の旅路である)とのこと。
監督、脚本は韓国のイ・チャンドン。女主人公ミジャは、孫息子をあずかって、介護の仕事を続けて
いる。生活はとても厳しいものだ。その上、最近物忘れの多い彼女は、医者を訪ねると、アルツハイ
マーの初期ではないかと診断される。けれども彼女には毎日の生活があるし、夢もある。子どもの
頃、彼女は詩人になればよいと言われたことを覚えている。そこである日見かけた町の詩の教室に
通いはじめる。そしていい詩を書こうと懸命の努力を続けるが、一方現実に起こるつらい出来事が彼
女の足を引っ張る。こまかいことは抜きにして、この映画で、監督が詩(言葉)に対して抱く夢、深い
祈りに心を打たれる。監督の手法も詩のように、説明せず、最後まで観客1人ずつの想像力にゆだ
ねる。とても寡黙だ。ミジャが最後に、哀しみや苦しみを通して、ついに書き上げた一篇の詩が画面
を流れるのがすてきだ。
監督は「人生の中に潜んでいる美を追求しようとする態度そのものを”詩”と呼んでいいと私は思って
います」と語っているが、この映画を見たあと、ミジャの詩(言葉)への希求そのものが、現実の時間
の質を結果として変え得ると言いたいのではないか。そこに、詩と出会う以前そのままの過酷な時間
があったとしても。ちょうど真珠貝の痛みのように。
それにしても日本と韓国の町の情景はよく似ている。カラオケの場面とか、コンビニの風景とか、作
詞教室の女性たちの表情とか。でも全体に元気がいい。適度に通俗性がありおかしくて、笑える場
面がある。
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