近況報告

    去年の12月以来の投稿なので、忙しかったこのところの、近況報告などをさせていただきます。
    主なことを書かせていただきますと…。

  1. 3月に『ラプンツェルのレシピ』という詩誌を発行しました。
     これは横浜で、時折りグリムなどのお話を読んだり、詩について語り合ったりしている仲間8人で、グリムのラプンツェルのお話をネタに、詩とエッセイをまとめたものです。
     表紙の相沢律子さんの絵がなかなかよくて、一目で印象に刻まれます。
    (なかみは読者の方々のご判断におまかせすることにして)私は大いに表紙をたのしみました。
     まだ少し残部がありますので、ご希望の方は声をかけてください。

  2. この春、EdwinA・クランストン氏が『The Secret Island and the Enticing Flame』 ー (日本の詩における記憶と発見と喪失)ー という副題をもつ著書を、 コーネル大出版部から上梓されました。
     そこに「皿の底の闇ー水野るり子の詩の神話をさぐる」という題の、私の詩についての70頁ほどの作品論が載っています。(クランストン氏はハーヴァード大学の日本文学の研究者であり、このたび その業績により旭日中綬章を受けられたのは嬉しいことでした。)
     私がクランストン氏と会ったのは、ハーヴァード大での一夜のパーティの折であり、それ以来20年近くにわたる、訳をめぐっての、私たちの長い交信がもたらした貴重な果実であることを思うと、感無量です。 

  3. ペッパーランドの創刊同人であった、前田ちよ子さんが去年7月に急逝されました。
     彼女を偲び、その すぐれた詩作品を紹介させていただきたく、追悼誌「ペッパーランド34」を編纂してきました。
     『星とスプーン』『昆虫家族』 の詩集を中心に、9名のエッセイと鼎談による構成で、やっと印刷所に原稿を渡してほっとしています。6月にはできあがる予定ですので、
     お読みいただければ嬉しいです!

  4. 絵本『ヘンゼルとグレーテル』。近いうちに新樹社から訳が出る予定です。
     読みなれたお話ですが、あらためて一語一語自分で訳してみると、一行ずつの微妙な陰影にとらえられて、いい読み方の経験になりました。
     メルヘンや神話のもつ謎と美しさと恐怖の淵が深みをましてきます。このところあらためて物語や伝説のおもしろさに出会い直しています。

  以上、近況からのご報告です。 
 

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