プランターのイタリアンパセリの葉群に、数日前一匹のアオムシをみつけた。けっこう華々しい装いで、ミドリの背中を黒とオレンジの柄でばっちり決めていて、ひと目見てキャッといって、反射的につまみ出し、殺戮に及ぼうとした。しかしなぜか、でもまあ、後一日くらい様子を見ようと、つまみ出すのも気持ち悪くて放っておいた。次の日も同じ、その次の日も…と見過ごすうちに、だんだん興味が湧いて何の幼虫か調べたくなった。彼(彼女)は一匹だけの気楽さで、イタリアンパセリをのうのうと食べ放題。そのせいかすぐ4〜5センチに成長。毎日黙々と孤独に生きぬいている。
ついに「庭・畑の昆虫」という本を引っ張り出して、丹念に調べてみた。すると特徴ある背中の模様から、キアゲハの幼虫らしいことが分った。かれらはニンジン畑に多く生みつけられるらしい。主な食草のセリ科の植物は高山にもあるので、幼虫は高い山でも育つということだ。食草の種類としては、ミツバ、ウイキョウ,カラタチ、パセリ、セロリ、セリなど香りの強いものが多い。
さて、このアオムシ君、昨日の夕方のぞいていたら、それまでじっとしていたのに、雨の中を急に右往佐往と歩き出し、地面に降りたり、他の茎にのぼったり試行錯誤。ついにかなり遠いところの茎にしがみついたまま固着状態になったので、どうやらそこでさなぎになるのでは。このヒト?(今はそういう気分)がキアゲハへと羽化するのはいつだろう?
それにしても夕暮の雨に濡れながら、長い間、このアオムシ君の行動をしゃがんでみつめていたせいか、今日は風邪っぽい。下手をしてキアゲハ症候群による風邪にまで発展しなければよいが。
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