昨日はお花見日和だったし、原稿の締め切りを一つクリアしたので、思い切って桜に会いに出かけた。それも雑用をいろいろ片付けてから、午後遅めに家を出た。
入生田の長興山紹太寺の枝垂桜がすばらしいときいたので、小田原で箱根登山電車にのりかえ、夕方4時頃にやっと現場にたどり着いた。 なにしろ思いも寄らない急な坂道を20分ばかりも登って、やっとお目当ての桜に会えたのだ。
さすがに樹齢330年といわれる枝垂桜の大木はすばらしかった。風もなく、まだ花びらひとつ散っていない。まわりに群れる人々の姿も小さく見える。夕日に近い光のなかで荘厳といえるほどの美しさ…。
帰りは下り坂なので、地元の出店で、5個百円!というおいしそうなミカンや、「桜ご飯の素」など買って、ふたたび入生田の駅へ向う。ところが大発見。この駅のホームの線路ぎわに、ちょうど満開の枝垂桜が一本立っていて、私の気持ちはむしろその美しさに吸い込まれてしまった。
ホームの柵ごしに手が届く近さ、私の目の高さに咲き誇る満開のしだれ桜のピンク。今まで出会ったどんな桜よりも魅力的で、美しく、夢見心地になる。これは現実じゃない…夢の中だと、しきりに自分に言い聞かせて、目の奥に深くしまいこんで帰ってきた。来年はきっとまたこの入生田駅まで来たい。この一本の枝垂桜を見に…と思いながら。初々しい「桜姫」に一目ぼれした私でした!
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