ヒポカンパスのASKでの詩画展と朗読会が28日に終わった。
28日には寒い中多くの方々が来てくださって、なかなかいい会になって嬉しかった。とてもいい朗読会で気持ちよく楽しめたという反響を周辺の方々からも、たくさんいただいた。それも当日の進行やセッティングなどに関しての画廊ASKからのご協力や、ゲストの方たちの朗読、ROSSAの演奏、何よりも来て下さったお客さんのいい雰囲気などのおかげなのだ。が、そのほかに井上直さんの画の醸し出す澄んだ宇宙的な呼気のようなものが会場に作用していたのではないか。私にとってもそれは後味のよいイベントであった。あらためて皆様に感謝します!
ところで「ヒポカンパス」もあと3号分残っている。またいろいろな工夫をして書き続けなければと思う。
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昨日はお天気がよくて、横浜美術館でやっている長谷川 潔展を見にいった。何年か前京都で見たときのことを思い出し、春のような空気をたっぷり味わいながら、その日はかなり閑静?な館を訪ねた。
彼の版画は初期の木版から晩年のマニエールノワールによるどの作品も魅力的だ。が、昨日はとくにドライポイントの手法で描かれた繊細な線をもついくつかの作品に見入ってしまった。
たとえば「夢」という画。夢幻的な水の感触になじみ、半ば溶けていくようなもろさを感じさせる女の肌。水中の静物や魚たちとの不思議な親和性をもつそのたたずまいなど。
また今回は、前に見たときに気づかなかったが、ある一枚の絵の中に「砂漠の薔薇」(鉱石の一種)が描き込まれているのを発見した。(この前詩誌ペッパーランドで石の特集をしたとき、私はその「砂漠の薔薇」を素材にしてミニストーリーを書いたのだ)。 その「砂漠の薔薇」の実物も、彼の描いたフィンランド民話のキツネの人形などといっしょに、ひっそりガラスケースにおさめられている。彼が描き続けたジャイアントタンポポとか、もろもろの種草とか、一枚の葉っぱとか、アネモネの花とか、じっと見ていると、この地上から、どんなに丹念に、そして集中して、彼が小さな美の表象を拾い集めてくれたかが感じられて、見ているだけで幸福感を得ることができる。身辺の小さなものたちがくれる幸せに、もっとセンシティブであること。
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