画集出版、遅れます。

各作品の色校正をやっていますが、出版が少し遅れて6月末から7月初めになりそうです。待っていて下さる方がいらしたらすみません。1992年以降「白衣」に入ってからは資料もあり、何とかなるのですが、鉛筆の頃が問題です。当時はポジとネガ両方のフィルムを残す方がいい、と言われておりましたが、いつの間にかデジタルの時代になりました。フィルムのよさもあるので、両方の兼ね合いを考えながらやっています。それも何とか納得できるところまでやるだけですから、あと少しです。
画集を作る、ということはこれまでの自分に順番に出会っていく作業で、そのどの自分も必死だったなぁ、、と思います。美術大学も出ないで、自分の持っているものだけでやろうとしていた。その私にいつも力を与えてくれたのは詩人たちでした。彼らは「詩人大学」を出ていなかった。その感性と言葉の力、背景となる思想を持って言葉を紡いでいたのです。詩を書くように絵を描いていこう、それが私の出発点だったことを今回の画集制作は思い出させてくれました。

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「画集発刊のお知らせ」

2017年の個展以来のブログ更新です。「平成」が「令和」に変わるこの春、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。長期間お休みしてしまいました。
2018年1月に画廊との間で画集出版の話が起きました。初個展から36年になりますので、いつか画集を作ってみたいと思っていましたが、それが実現するかもしれないというのは、私にとって一つの事件でした。本がなかなか売れないと言われる時代に、画集はどんな意味を持つのだろう、と自問しながら、作品を選び、頁ごとのレイアウトや全体の構成を考える1年2ヶ月でした。私は大作を中心に制作を続けてきた作家なので、そのスケールをどうやって伝えるか、も課題でした。
今、文字やレイアウトの校正がほぼ終わり、各作品の色校正に入るところです。出版は5月20日前後になりますので、ご購入いただける方は、その頃 art space kimura ASK? または私のアドレスまでご連絡下さい。2020年暮れの個展会場でも入手できます。具体的な価格につきましては画廊に任せてありますので、決まり次第、アップロードさせていただきます。
絵を見た人々の中に眠っている「私と似た感覚」を呼び覚まし、それぞれの人がご自分の生きてきた時間や、忘れ難い瞬間に思いを馳せる—そのきっかけになるような画集であれば嬉しいです。

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「個展のご案内」

秋も深まってまいりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
3年ぶりで、また個展をさせていただきます。初冬です。
以前60代が最も仕事ができた、とおっしゃるアーティストに会ったことがあります。
自分が何を目指してやってきたのか、少し見えてきて、それでいてまだ体力が少し残っている、60代がそういう時期だとしたら、ベストを尽くさないと後悔するな、そう思って過ごした3年間でした。
井上 直 展 Nao Inoue
12月4日(月)〜16日(土)
11:30〜19:00(最終日17:00まで日曜休廊)
art space kimura ASK?  TEL・FAX 03-5524-0771
〒104-0031 東京都中央区京橋3-6-5木邑ビル2F
(東京メトロ銀座線京橋駅1番出口より徒歩1分。「美々卯」隣り。)
(都営浅草線宝町駅4番出口より徒歩1分)

「答唱」 1818×2590

雪深い森のなかで、あるいは小舟のうえで、白衣たちは何をしているのだろうか。井上直の作品の前に立ち、白衣たちに導かれるように画面のなかに入り込むと、私たちは個人的な記憶をたどりながら、それぞれの物語を紡ぎだすことになるだろう。そして人生について、あるいは自然のなかでの人間の存在のあり方について、思いを巡らせることになるのである。
             大谷省吾(東京国立近代美術館美術課長)

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新年のご挨拶

 2017年、明けましておめでとうございます。暮れの個展まで一年を切りました。昔、京橋のASK という広い空間で新作ばかりの個展を続けていこうと決心した時、2つの重要なことを忘れていました。「自分の体力が年々衰えていくこと」と「自分を満足させることが年々難しくなっていくこと」です。それらを思い知りながら、今回の個展はこれまでになくハードなものになっています。
 
 年頭に96才になる母に会いにいきました。母は体調悪く、混乱していましたが、その「悲しい叫び」は伝わりました。帰り道、私は絵を描くことが自分の天職である理由を見つけたように思いました。内にあの叫びを込めた静かな絵を、これからも描いていくだろう、、、と。
 暮れが近づいたらご案内させていただきますので、どうかまたご覧になって下さい。

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「ホームページの移転」

約1年半ぶりの更新です。暑い夏が終わろうとしていますが、みなさまお元気でお過ごしでしょうか。身体のあちこちに支障をきたしているのは、年齢を考えると当然だと諦められるのですが、今年は豊作だと喜んでいた柿が、直径4cmにもなった青い実を次々と落として、その度にゴン!と大きな音がするのです。何か摑めそうだ、と思いながら描いている身には、それが結構こたえます。つけ過ぎた実を間引いているだけ、と自分に言い聞かせるのですが、摑めないかもしれない、と思う日もあります。様々なプレッシャーにもめげずに立ち向かっていくオリンピックの選手たち、えらいなぁ、、、
お知らせ
これまで私のホームページは KDDIのレンタルサービスを利用してきたのですが、それが2017年10月末で終了することになるらしいのです。次の個展の直前で余裕のない時期なので、今のうちに以下のアドレスに引越しをしました。今のところは両方で見ることができますが、2017年11月からは新しいサイトのみになります。訂正などお手数をおかけしますが、よろしくお願いします。
  新しいURL
http://naoinoue628.webcrow.jp

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「HP の改良」

久しぶりのブログ更新です。皆さまいかがお過ごしでしょうか、、、私は少し体調を崩して、2015年をゆっくりとスタートさせました。これまで長い間 HP を改良したいと思いながら、作品で手一杯だったし、HTML が苦手なこともあって果たせずにきました。でも個展の後、新しい作品を UP しなければ、と思い切って手を付けました。この分野にお詳しい方から見ると相変わらず素朴なものではありますが、よろしければ覗いてみて下さい。
この機会に初個展から10 年間の「鉛筆作品」も UP しました。懐かしい世界です。私の場合、「鉛筆」だと世界はどんどん極私的に、「白衣」だと大きくなっていく傾向があるようです。
井上 直 の ホームページ

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御礼。

個展が終わって一週間経ちました。
寒い中、京橋までお出掛け下さいまして、ありがとうございました。
自分の中では 鉄塔シリーズ → 海の記憶 → 千の種族 → 物語の後の物語 と、それなりに一連の流れがあったつもりでしたが、見る方の中には「大きな変化」と受け止められた方も多く、絵を間に、作家の物語、見る方の物語が交錯する二週間でもありました。
個展を終えて、またゼロからのスタートです。
大作をいつまで描けるんだろう、、と案じながら、三年間努力しようと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
あと十日余りで今年も終ります。 どうか皆さまよいお年を、、、
                                井上 直

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「個展のご案内」

個展のご案内をさせていただきます。
早いもので先回の個展からまた3年経ちました。
湖、塔、森、城、劇場、遊園地、様々な場所での「物語の後の物語」、
ご覧になっていただければ幸いです。
井上 直 展
Nao Inoue
「物語の後の物語」
2014年12月1日(月)〜13日(土)
11:30〜19:00(最終日17:00まで 日曜休廊)

「物語の後の物語─湖」2013 1940×2590


「物語の後の物語」とはなにか。画廊を訪れた人は、6点の出品作のそれぞれの画面に登場する白衣の人物たちに、自分自身を重ね合わせ、絵のなかの「見る/見られる」関係に引き込まれていくうちに、さまざまな物語を想像/創造することができるだろう。それはきわめて個人的な物語かもしれないし、実は普遍的な人類の物語に通じているかもしれない。
               大谷省吾(東京国立近代美術館主任研究員)

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「大川美術館の展覧会」

久しぶりで展覧会のお知らせをさせていただきます。
桐生市の「大川美術館」では、
「開館25周年記念─大川美術館の軌跡」
を開催中です。
2013年10月5日(土)〜12月15日(日)
6つに分けられた章の中の「時間」と題された章に、「使者を待つ森」二点が出ています。
二点揃って展示されることはめずらしいので、よろしければお出かけ下さい。
秋の小旅行をお考えの方、お近くにおついでがおありの方、お訪ねいただれば幸いです。
(公益財団法人)大川美術館(桐生市小曾根町3-69、Tel.0277-46-3300)
大川美術館のHP
都心から桐生までは充分日帰りできます。初めて行かれる方は、浅草、又は北千住から赤城行きの特急「りょうもう」に乗るのがお勧め。新桐生まで1時間半(約2500円)。新桐生からバス「桐生女子高行き」で、約13分(200円)で桐生駅北口に着きます。ただし、このバスは1時間に1本なので、Web上で、時刻表を調べ、特急の時間を逆算して出発するといいです。桐生駅からの道順は、美術館HPをご参考に。少々階段がハードですが、幼稚園裏の近道が便利です。
なお京橋の art space kimura ASK? には展覧会のチラシがありますので、ご関心がおありの方はお尋ね下さい。

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「御礼」

長く寒い冬がようやく終わったのに、梅が散り桜もどんどん咲いて、春は大急ぎで過ぎていきます。「二年後。自然と芸術、そしてレクイエム」展が3月20日に終りました。
遠いところを水戸までお出かけ下さいました皆さま、まことにありがとうございました。
美術館初体験で、色んなことを学びました。中でも50m 離れて見た「千の種族」のことは忘れられません。
今はまた来年の個展のための作品に入っています。登り坂が険しくなってきたことをひしひしと感じております。近くなりましたらご案内させていただきますので、またご覧いただけば幸せです。                                    井上 直

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